順位
比較
合計スコア
環境
人権・責任ある調達
スコアの概要
ステランティスは、リーダーボードの第1版から第2版にかけてそのパフォーマンスが大幅に向上したことを踏まえると、多くの同業他社とは対照的に、2025年版でその進歩を維持していないことは残念です。このため、ステランティスは2025年のリーダーボードで5位から9位へと順位を大きく落としました。
「化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン」部門では、4つの全区分のうちパフォーマンスが向上したのはわずか2つの指標に関してのみでした。その2つとは、温室効果ガスの排出削減目標の遵守に関してサプライヤーを監視する仕組みと、スクラップ鉄の使用に関する一部の情報を開示する仕組みに関するものです。ステランティスは現在、この部門で吉利汽車(Geely)とヒョンデ(Hyundai)に追い抜かれました。
2024年のスコアと比べ、ステランティスは人権部門全般において最悪のパフォーマンスを示しています。すべての人権指標で改善が見られず、鉱物の調達慣行でもわずかに後退したため、人権部門の順位は4位から7位に下がっています。
プラスの側面としては、2025年版リーダーボードの締切日には間に合わなかったものの、ステランティスは新たに先住民族の権利に関する独立した方針を策定しました。これは同社にとってこの分野での重要な一歩であり、先住民族の権利について今後さらに改善していくための基礎となるものです。2026年版では、今回の0%というスコアを改善できるはずです。
主な評価結果
- サプライチェーンにおけるスコープ3排出量を開示している。また、2030年までにサプライチェーンの排出量をバッテリー式電気自動車(BEV)1台あたり40%削減し、2038年までにバリューチェーン全体でネットゼロにする目標を掲げている。
- 「化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン」部門の「鋼材」と「アルミニウム」区分で、欧米の自動車メーカーの中で依然として最低スコアとなっており、この2つの区分の平均スコアはわずか3%にとどまる。鋼材とアルミニウムのリサイクルにおける進展は業界のリーダーから後れを取っているものの、一定の初歩的な取り組みを行っている。しかし、自動車に使用される一次鋼材と一次アルミニウムからの排出量を削減するための行動は一切開示していない。
- バッテリーの循環利用に関する継続的な取り組み、バッテリー用の新たな化学物質への投資、および低炭素型(低排出)のリチウム・ニッケルの調達に関する契約の締結により、「化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン」部門の「バッテリー」区分で、今回も自動車メーカーの上位5社にランクインした。
- BMWおよびルノーと同様に、気候変動関連のロビー活動に関して欧米の自動車メーカーの中で最も低い評価を受けており、これがスコアと順位をさらに押し下げている。
- 人権デュー・ディリジェンスのプロセスとシステムにおいて、継続して十分な量の情報を開示しており、評価企業の中でもまだ一般的に珍しい監視活動に関する統計データが含まれている。しかしながら、顕著な人権リスクやサプライチェーンにおける苦情については十分な情報開示がなされていない。
- 移行鉱物の責任ある調達に関するパフォーマンスにはばらつきがある。例えば、サプライチェーンのマッピングや情報開示など、一部の実践はしっかりと維持している一方、独立した責任ある鉱物調達方針の策定、サプライチェーンにおけるSoR(製錬所・精製所)とのエンゲージメントあるいは鉱業サプライヤーにIRMA(責任ある鉱業保証のためのイニシアチブ)による監査を受けるよう求める要件など、その他の項目で多くの同業他社から依然として後れを取っている。
- 労働者の権利に関して確固とした方針を維持している。生活賃金を約束している数少ない企業であり(3社のうちの1社)、生活賃金の計算方法を説明している唯一の企業である。しかしながら、生活賃金を支払うことをサプライヤーに明確に求めるには至っておらず、サプライチェーンで特定した労働者の権利に関する顕著なリスクについて開示する情報も縮小している。
スコア詳細
化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン
全般
鋼材
アルミニウム
バッテリー
年ごとに比較する
人権・責任ある調達
全般
移行鉱物
先住民の権利
労働者の権利
年ごとに比較する
私たちのビジョン
公正に
サプライチェーン全体にわたり、先住民、労働者、地域コミュニティの権利を尊重し、向上させながら製造される。
サステナブルに
サプライチェーン全体にわたり、環境の健全性と生物多様性を保護・回復すると同時に、効率的な資源利用およびリサイクル材料含有率の増加を通して一次資源の需要を削減しながら製造される。
化石燃料フリー
完全電動車として、化石燃料を使わないサプライチェーンによって製造される。