先住民族の権利
先住民族は長きにわたり、土地や世界の自然資源を守る管理者の役割を果たしてきました。エネルギーの移行を促進するために必要な資源の半分以上が、先住民族の住む土地やその隣接地にあります。先住民族には自己決定の権利があり、自らの土地や領域で実施される予定の事業や活動について、自由で事前の情報に基づく合意(FPIC)を行う、もしくは合意を留保する権利があります。
自動車サプライチェーンに関連する事業が、先住民族の領域内でその合意なしに実施される例はあまりにも多く、時には先住民族が先祖伝来の土地から立ち退かされることさえあります。採掘を伴う事業はその土地の資源も汚染するため、これらの地域コミュニティの食料や水、生活、文化に対する権利にも影響が及びます。公正なサプライチェーンにおいては、先住民族の自己決定の権利ならびに自由で事前の情報に基づく合意(FPIC)に関する権利が尊重されなければなりません。