順位
比較
合計スコア
環境
人権・責任ある調達
スコアの概要
テスラは2025年のリーダーボードで引き続き力強い進展を見せています。2位のフォードとのスコアの差は1ポイント足らずですが、総合スコアが8ポイント上昇し、2025年の順位ではトップの座を獲得しました。
テスラは今回、リーダーボードのいくつかの分野で重要な改善を行いました。気候と環境の「全般」区分におけるパフォーマンス向上は特に注目に値します。これは、サプライヤーによる排出削減を促進するための追加策を開示したほか、2025年版で新たに追加された森林破壊の指標において平均を上回るスコアを獲得したことによるものです。
テスラは今回、人権部門の大半の分野でもスコアアップとなり、この部門における順位は3位から2位に上がりました。しかしながら、同じ米国の自動車メーカーで部門トップのフォードとは依然として大差があり、その差が最も大きい移行鉱物に関しては、テスラはフォードに20ポイントもの差をつけられています。
2025年版リーダーボードでのランキングで自動車メーカーのトップに立つテスラの地位は不安定です。それは、英気候シンクタンクのInfluenceMapのランキングで現在業界1位を獲得している強力な気候変動関連のロビー活動のスコアに依存しているからです。このロビー活動の評価がリーダーボードのスコアに考慮されなければ、テスラは3位のままだったでしょう。また、同社が米国のEV税額控除の廃止を支持しているという報道を踏まえると、テスラは2026年版のランキングで容易に首位から転落する可能性があり、世界的な気候政策の強化を支持するロビー活動で実績を確実に維持することで、このリスクを軽減すべきです。
主な評価結果
- 依然として、鉄鋼、アルミニウム、バッテリーのサプライチェーンにおける詳細なスコープ3排出量を開示している唯一の自動車メーカーだが、鉄鋼およびアルミニウムの両セクションにおいて、わずか1つの指標でしかスコアを向上させていない。
- 持続可能なバッテリーのセクションでトップクラスの評価を受けており、今年はより持続可能なリチウムおよびニッケル採掘を支援する追加の取り組みを開示。しかし、バッテリーの循環性に関しては業界の多くの競合他社よりも低いスコアとなっている。
- リスクの特定、サプライチェーンにおける強制労働のリスクに対処するための措置、および苦情処理メカニズムの運用など、人権デュー・ディリジェンスの多くの分野で開示レベルが向上した。
- 確固とした責任ある鉱物調達方針を有し、調達場所を問わずすべての移行鉱物のサプライヤーにOECDガイダンスの遵守を求めているごくわずかな企業のうちの1社である。サプライチェーンマッピングの結果、および直接調達契約についても十分な詳細情報を提供している。
- 先住民族の権利に関するパフォーマンスで首位を維持しているものの、合計スコアがわずか26%であるにもかかわらず、今回この分野ではスコアが一切改善していない。
- サプライチェーンにおける労働者の権利、特に強制労働に関するリスクをどのように特定し、それを軽減するかについて開示を改善した結果、労働者の権利に関するスコアが大幅に上昇した。しかし、依然としてやるべきことは多い。テスラは生活賃金を約束しておらず、労働者と労働協約を結んでいない唯一の欧米企業であるほか、サプライチェーンのデュー・ディリジェンスおける労働者との正式な協議プロセスに関する情報を一切提供していない。さらに、スウェーデン、ドイツ、米国などの国において労働組合に否定的な行動を展開しているという報告も懸念材料である。
スコア詳細
化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン
全般
鋼材
アルミニウム
バッテリー
年ごとに比較する
人権・責任ある調達
全般
移行鉱物
先住民の権利
労働者の権利
年ごとに比較する
私たちのビジョン
公正に
サプライチェーン全体にわたり、先住民、労働者、地域コミュニティの権利を尊重し、向上させながら製造される。
サステナブルに
サプライチェーン全体にわたり、環境の健全性と生物多様性を保護・回復すると同時に、効率的な資源利用およびリサイクル材料含有率の増加を通して一次資源の需要を削減しながら製造される。
化石燃料フリー
完全電動車として、化石燃料を使わないサプライチェーンによって製造される。