順位
比較
Total Score
Environment
人権・責任ある調達
スコアの概要
リーダーボードの初版において東アジアの自動車メーカーの中で最高スコアを獲得していた日産自動車(日産)は、2025年版でも引き続き順位が下がりました。昨年版ではヒョンデ(Hyundai)に追い抜かれ、2025年版では、最もパフォーマンスが低迷した自動車メーカーの一つとなり、評価全体でスコアが改善したのは7つの指標のみでした。そのため日産は起亜自動車(Kia)と吉利汽車(Geely)に追い越され、11位から13位へ順位が下がりしました。
特に、バッテリーのサステナビリティの区分のスコアはわずか4%と、自動車メーカー全18社のうち2番目に低いものでした。低炭素型(低排出)の鋼材・アルミニウムの調達において一定の進展が見られ、「鋼材」と「アルミニウム」の区分ではそれぞれ11%と、やや高めのスコアでした。日産はこの進展を足掛かりに、鋼材とアルミニウムのサプライチェーンの脱炭素化に向けた野心的な目標を設定し、その目標の達成に向けて具体的な行動を起こすべきです。レスポンシブルスチール(ResponsibleSteel)やスチールゼロ(SteelZero)、ファースト・ムーバース・コアリション(FMC)といったマルチステークホルダー・イニシアチブへの参加は、これらの目標の達成に役立つと思われます。
日産の人権部門に関するパフォーマンスは許容しがたいほど低く、改善が見られたのは4つの区分全体でわずか2つの指標にとどまりました。実際には後退した分野もあり、既に非常に低かったスコアがさらに下がる結果となりました。人権部門の順位は11位から15位へと後退し、人権部門全体でのパフォーマンスは上海汽車(SAIC)、広州汽車(GAC)、比亜迪(BYD)に次いで、下から4番目と低迷しています。
主な評価結果
- 2050年までにカーボンニュートラルを達成するコミットメントに2030年の中間目標を追加したが、鋼材、アルミニウム、バッテリーのサプライチェーンについて細分化された排出削減目標を示していない。
- 評価対象企業の中で、日産と広州汽車(GAC)のみが「鋼材」、「アルミニウム」、「バッテリー」の区分において今回スコアがまったく改善しなかった企業であった。
- バッテリーリサイクルに関するすべての指標のスコアがゼロであり、バッテリーのサステナビリティの区分において自動車業界で後れを取っている企業の一つである。日本自動車工業会(JAMA)が構築した共通スキームに沿って、バッテリーのクローズドループ・リサイクルの取り組みを強化すべきである。
- 人権デュー・ディリジェンスのプロセスとシステムに関する開示レベルが極めて低く、リスクの特定方法に関してなど、一部の分野で開示が縮小している。また、2017年以降、顕著な人権リスクに関する評価を実施した証拠を開示していない。
- 紛争地域および高リスク地域(CAHRA)から調達されるすべての鉱物と金属に適用される責任ある鉱物調達方針を定めているが、サプライヤーに対する実際の要件にこのコミットメントを反映させておらず、サプライチェーンで実際に運用されていることを示すものはほとんどない。
- 先住民族の権利に関して惨憺たる記録が続いており、そのパフォーマンスを0%から改善するための行動を一切とっていない。
- 「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を支持し、本社では労働者と労働協約を結んでいるが、その他すべての労働者の権利に関する指標でスコアが低迷している。
スコア詳細
化石燃料フリー・環境
全般
鋼材アルミニウム
アルミニウム
バッテリー
Compare by year
人権・責任ある調達
全般
労働者の権利
Indigenous' Rights
Workers' Rights
Compare by year
私たちのビジョン
公正に
サプライチェーン全体にわたり、先住民、労働者、地域コミュニティの権利を尊重し、向上させながら製造される。
サステナブルに
サプライチェーン全体にわたり、環境の健全性と生物多様性を保護・回復すると同時に、効率的な資源利用およびリサイクル材料含有率の増加を通して一次資源の需要を削減しながら製造される。
化石燃料フリー
完全電動車として、化石燃料を使わないサプライチェーンによって製造される。