順位
比較
合計スコア
環境
人権・責任ある調達
スコアの概要
メルセデス・ベンツは2025年版リーダーボードでも上位企業に名を連ねていますが、フォードに1ポイント未満の僅差で後れを取り、2位から3位に順位が下がりました。特筆すべきは、リーダーボードのすべての部門で優れたパフォーマンスを示していることです。評価対象の自動車メーカーの中で唯一、8つの区分すべてにおいてトップ5に入っており、自動車メーカーがリーダーボードで評価されるすべての分野において優れたパフォーマンスを達成できることを実証しています。
しかしながら、今年版では全体的なパフォーマンスが精彩を欠いており、総合スコアは2ポイント未満の上昇にとどまりました。「化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なサプライチェーン」部門では引き続きトップ3に入っており、新たに導入された森林破壊の指標において平均を上回るパフォーマンスを示しています。また、「バッテリー」の区分では注目すべき改善を見せ、この区分ではテスラを抜いて首位となりました。
留意すべきは、同社の気候変動関連のロビー活動に関する評価が分かれたことで全体のスコアが伸びず、この分野では、英気候シンクタンクのInfluenceMapからC-の評価を受けています。今年版の分析によると、メルセデス・ベンツが気候ロビー活動の実績をボルボやテスラなど同業他社と同等のレベルまで改善していれば、今年の評価で首位を獲得していたことが示されています。
主な評価結果
- サプライチェーン全体にわたってネットゼロ目標を設定し、2039年までに調達するすべての生産原材料を実質カーボンニュートラルにするというコミットメントを掲げている。
- サプライチェーンにおける森林破壊ゼロへの全般的なコミットメントを確立し、サプライヤーに対して天然林の保護を支援するためのデュー・ディリジェンス措置を契約上義務付けている。また、森林破壊のリスクに対処するためのサプライヤーとのエンゲージメントの証拠を提示することで実施状況を示している。
- 低炭素型でほぼゼロエミッションの鋼材とアルミニウムの調達においては業界のリーダーであり、化石燃料を使わない鋼材・アルミニウムへの投資拡大と生産量増加を支援するため、複数のサプライヤーと契約や協定を結んでいる。しかし、二次鋼材や二次アルミの使用拡大については、比較的進展が見られない。
- 持続可能なバッテリー用鉱物の調達とバッテリーリサイクルでの進展により、「化石燃料を使用しない環境に配慮した持続可能なバッテリー」の区分では最高スコアを獲得している。2024年に南独クッペンハイムに新しいバッテリーリサイクル工場を開設し、焼却の必要がなく、バッテリー生産に使用される重要な原材料の最大96%を回収できる機械式湿式製錬プロセスを採用している。
- 人権に関する強力なコミットメント、方針、プロセスを有しており、サプライチェーンのデュー・ディリジェンス活動について全般的に透明性を維持している。人権リスクの特定と評価プロセスに外部の人権専門家をどのように関与させているかを詳細に説明している唯一の企業である。
- 移行鉱物の調達については全般的に高いレベルの透明性を維持している。鉱物サプライチェーンマッピングの結果に関する十分な情報を開示し、サプライヤーに対して責任ある鉱業保証のためのイニシアチブ(IRMA)の監査を受けた鉱山から採掘されたコバルト、リチウム、ニッケル、天然黒鉛のみを使用するよう要求している数少ない企業の一つである。
- サプライチェーンのどこで先住民族の権利に関するリスクが発生するかなど、より詳細な情報を開示したことで、先住民族の権利に関するパフォーマンスが若干改善した。しかし、この分野ではより具体的な方針、プロセス、情報開示が必要である。
- 労働者の権利に関しては最高のパフォーマンスを示しており、この分野でベストプラクティス数例を示している。強力な方針、労働者の権利方針について労働者や組合と協議するためのメカニズム、労働者の権利に関するリスクの評価において組合と協議するためのプロセスを有している。
スコア詳細
化石燃料フリー・環境
全般
鋼材アルミニウム
アルミニウム
バッテリー
年ごとに比較する
人権・責任ある調達
全般
労働者の権利
先住民の権利
労働者の権利
年ごとに比較する
私たちのビジョン
公正に
サプライチェーン全体にわたり、先住民、労働者、地域コミュニティの権利を尊重し、向上させながら製造される。
サステナブルに
サプライチェーン全体にわたり、環境の健全性と生物多様性を保護・回復すると同時に、効率的な資源利用およびリサイクル材料含有率の増加を通して一次資源の需要を削減しながら製造される。
化石燃料フリー
完全電動車として、化石燃料を使わないサプライチェーンによって製造される。